しのざきのおと。

2021年も穏やかに暮らしたい

「息子がオタクになったら困る」と言う女の人は割と多い、という印象

とりとめのない話です。

 

自分が女性で且つ子どももいる知人が多い年齢なので、子どもについての話を聞くことはよくあるんですが。

複数の女性から、「息子がオタクになっちゃったらどうしよ~!!」という発言を聞いたことがあります。詳しく聞いたわけじゃないからわからないけど、多分彼女達が指すオタクは「漫画、アニメ、ゲームが好きで家にポスターやフィギュアがたくさんある。アイドル好きで握手会やチェキ会に行っている。その他スポーツではない趣味に没頭している」×「見た目が衛生的・健康的ではなくダサい恰好をしている」×「日常場面でのコミュニケーションが困難もしくは苦手」ということなのではないかなぁ、と予想しています。

「見た目」に関してはもしオタク趣味を持っていても見た目の部分に気を遣って清潔感のある印象を持たせる風貌を保っていれば、「嫌な感じ」は持たれない可能性が大きい気がします。

そして一番大切かもしれないのがコミュニケーションの部分かなぁと思っていて。多分日常的に普通にコミュニケーションをとっている人が「アイドル好き」だったとしても、それは「●●さんはアイドルが好き」になるけれど、普段全くコミュニケーションがとれない人がアイドル好きだとわかると「●●、アイドル好きとかキモい」になるのかなぁ、と。そして親御さんとしては「自分の子どもが他者とコミュニケーションを上手くとることができないこと」こそが、心配事なのであり、オタク趣味の人間=コミュニケーションがとれない人間、というイメージが強いからこそオタク趣味は好かれないのかなぁ、と思いました。

 

とは言え、書いていて思ったんですけど例えばその人の好きな物が「フットサル」だったとしたら「●●、フットサル好きとかマジキモい」にはならないだろうしな。やっぱり「好きになる対象」そのものに対するバイアスもあるんだろうなぁ。「その人がどういう気持ちでその対象の事を好いているか」なんていう個々の事情までわかった上で「キモい」と言うならわかるけど大抵の場合はそうではないし。「□□を好き=キモい」という一くくりにすると理解が楽だもんなぁ、と。

いわゆる「一般的に否定されにくいもの」が好きな人は、自分の好きな物が人から「キモい」って言われたらどう感じるかって、想像した事あるのかなぁ。もし自分の好きな物が、自分が「キモい」と思っているものと同じ扱いをうけたらどう感じるんだろうか、なんて若干卑屈な精神で思ってしまう。

 

好きな物があるっていいことだよな、って思います。少なくともその人が「生きていて『幸せ』って感じられるものがこの世に在る」、ってことだから。「そのものとその人が出会えた」、ってことだから。少なくとも、「そんな物を好きなお前は気持ち悪い」という人よりは、その好きな対象の方がその人を幸せにできるのだから。オタク気持ち悪い、っていう人に会うと、「じゃああなたは『オタク』達をオタク趣味以上に嬉しい・楽しい気持ちにさせるものを提供できるんですか」って思ってしまう。

確かに、オタの中には日常生活でのコミュニケーションが困難そうだなぁ、という人はいる。でも、逆にそんな人たちをも魅了する「オタク文化の物」って、すごい魅力を持ってるんだなって思う。だって、他の事には笑顔にならない人をその「オタク文化の物」は笑顔にできるんだもの。それってすごいことだよなぁ。

 

この前、「アニメが好き」という人と出会ったのですが、それまで落ち着いた感じで話していたその人がアニメの話になったとたんに花がほころぶような笑顔でニコニコと「アニメが好き」という事を話してくれた時、私はすごく幸せな気持ちになりました。それはその話の内容が楽しかったと言うより、「ああ、この人は本当にアニメが好きなんだなぁ」という気持ちが伝わってきて、こっちも幸せになったのです。そして、その人の笑顔を見ながら「自分の子どもがこういう笑顔になったとしても『オタクって気持ち悪い』って言う親御さんっているのかな」と思いました。子ども達が幸せを感じて生きている以上に親として幸せなことってあるんだろうか。「親である自分が認めた物」しか子どもが好きになるものを許せない、のだとしたら、それは親御さんの方がどうなんだろう、と思いました。私は、子どもの、他人の幸せを喜べる人間でありたい。自分には理解ができないもの好む人に会った時も、それを否定するんじゃなくて「その人がそれのどこに興味を持ったんだろう!?」って思える人間でありたい。

 

初めの話に戻るんですけど、「娘がオタクになったら困る」という男性にはまだ出会ったことがないけど、男性もそういう風に思っているのかなぁ。子どもをもつ男性に、今度聞いてみようかと思います。

 

私はアニメやゲームが好きだった時期もありますし、漫画はずーっと好きですし、社会人になってからアイドルのファンにもなりました。私は、昔から自分の好きな物のことを隠したことがありませんでした。どうして隠す人がいるのか、よくわかりませんでした。

でも最近「自分の好きな物を隠したい」という気持ちが少しだけわかってきた気がします。世の中には、自分が好きだと言った事に対して、ネガティブな反応をする人もいるんだなぁ、ということがようやく実感としてわかってきたんです。

そう思うと、自分はどこかで「好きな物をいつでも好きって宣言できるかっこいい自分」に酔いしれていましたが、それは自分が強かった訳でもなんでもなくて、周りにいたのが私に「この人達は何を聞いても偏見の無い目で私の事を見てくれる」という安心感を与えてくれる人達だったんだな、周りの人達に恵まれていたんだな、ということにこの歳になって気づきました。遅いよって言う。でも気付けてよかったな。

 

私は「バカ騒ぎ」的なノリが得意でも好きでも無いので、正直そういうイメージが強い物に対しては偏見的な捉え方をしていることが多いんです。でも、そういう物が好きな人の話を聞くと、バカ騒ぎが好きな人もいるけど、案外淡々と楽しんでる人もいるんですよね。私自身もそういう「リア充」的な物に対して、偏見を持たないようにしていきたいな~と思います。難しいなぁ。誰かを馬鹿にするのって楽だしある種の楽しさがあるんでね~、ついやりたくなっちゃうんですよね…自戒自戒…