小説同人が好きなので手をたたき続けようと思っている話
小説同人誌は需要がないという話についてhttps://t.co/4S0oDT3xJL
— ねむすけ (@nemusuke128) 2020年3月10日
ツイッターに書くには長文になりすぎてしまった
趣味だろ正気に戻るなではない。正気で解決すべき問題です。
売れないことが気になるのであれば問題の解体をすべきだと思いました。ので書きました。
このツイートに貼ってあるプライベッターの文章を読んだり、みなさんの反応を読んでいたら色々な思いが浮かんできたので私も文章にして残しておこうと思い、キーボードを叩いております。
ちなみに私の同人歴はこんな感じです
・一般参加デビューは晴海
・その後、地元の小さなイベントにたま~に出ていた(よく考えたら人生で初めて出した同人誌は、二次創作小説本だった)。
・その後は途中途中何年か本を出さない時期もありつつ、現在では同人デビューしてから四半世紀以上経っている。漫画を描いていた事もあるがここ5年ぐらいはほぼ二次創作小説本での参加。
■そもそも「需要がある」とはどういう状態なのか。と言うか、私はどういう時に「私の小説、需要があったな…!」と感じられるのか
この事について私は明確に考えたことは無かったです。なので今回を機に考えてみました。
①即売会の前にTwitterやPixivなどで新刊の告知をした際に何らかの反応(ブクマやハート、楽しみだなぁ等のコメント)があった時
②即売会及び通販で本が売れた時
③即売会で本を手に取ってくれたお客さんが嬉しそうにしてくれたり「楽しみにしてました~」「前回の本良かったです~」と言ってくれた時。お手紙なんかをもらえてしまった時
④イベント後にTwitterやマシュマロなどで本に関する反応があった時
私の場合はこんな感じでしょうか。
そして多分、「①~④をどのぐらいの数もらえたら満足するか」というのが人によっても違うし、同じ人でもその本に対する意気込み具合等で変わってくる気がするんですよね。
私自身は、「もっとたくさんの人に手に取ってもらえたら・反応がもらえたら嬉しいな~」という気持ちを常に抱いてはいます。私は基本的に自分の書く話が好きですし、「今はまだ出会っていない、『私の本を好きになってくれる人』がまだまだこの世にはいる」という謎の確信は持っているので、そういう人にどうにか私の話を届けられたらいいのになぁ、と思ったりすることはあります。
ただ、小説スペースを素通りしていく人を見ては「ちぇ~、このお話、すごくいいお話なのにな~」と思う事はありますが、「売れなさすぎて落ち込む」みたいな事はあまり無い気がします。
そもそも、自分の本がそんなにバンバン売れると初めから思っていないからかもしれません。別にこれは卑屈になっている訳でも無く、このジャンルの小説に対する需要はこれぐらいだろう、その中で自分の本に興味を持ってくれるのはこのぐらいかな、みたいなものを普段の感じからあらかじめぼんやり予想しているので過度な期待をしすぎてはいないという事です。
■二次創作の場合、売れる部数はジャンルの影響がすごく大きいという自覚
今まで両手で数えられるぐらいのジャンルで小説同人誌を出してきました。
別に、年数を経たから劇的に上手くなったとかそういうのは(良いのか悪いのか、)あまり無い気がします。常に、私なりに気に入った、それなりの品質のお話を本にしてきたつもりです。
ですが、同じようなクオリティの本を出しても、売れ行きは全然違います。私は常に「その時一番出したい本を出す」という気持ちで活動しているので売れようが売れまいが出したくなったら本は出すんですが、やっぱり単純に「反応をもらえる機会が増える」という点で、たくさんの人に本を手に取ってもらえるジャンルで活動すると嬉しいし楽しいなとは思います。「同じぐらいいい話だと思うのに手に取ってもらえなかった本」の事を思うと、残念だなぁとは思います。「この部数出るのは、自分の実力じゃなくてジャンルの力」というのは常に忘れずにいます。
■そのジャンルの人は小説を読むのが好きかという視点
これ、漠然とは「部数に影響あるよな~」と思っていたんですが、今回を機に「自分が今まで小説本を出したジャンル・カプ」について、Pixivでイラスト・漫画:小説の投稿数で検索してみました。一番差が少ないジャンルで1.1:1、一番開きのあるジャンルで17:1でした。
これはあくまで投稿数であり閲覧数やブクマ数とは違うので一つの指標でしかありませんが、確かに比率が1:1に近いジャンルの方が小説でも手に取ってもらいやすい感じはあった気がします。
あと、小説本を出す人が多いジャンルは、色んなタイプの小説が読めて面白いという相乗効果からか、読み手さんも多くいるように感じた事はあります。
■自分の作品について十分に、そして効果的に宣伝できているか問題
私自身は本に限らずエンタメ(特に「物語」)にお金を支払う時は、なるべく前情報を最小限に届めたいタイプです。
ジャケ買い、好きです。
裏表紙のあらすじや本の帯の文字数は、なるべく少ない方がいいし、物語の展開に関する事は一切書かないでほしいです。
同人誌の冒頭にある注意書き、初見の時はなるべく見ないように焦点をぼかして読み流しています。
映画予告版によくある「いいシーンをつなぐ、しかも結構後半の大切な台詞を入れてくるやつ」、大嫌いです。目を瞑って耳を塞いでも、日本語だと聞こえてきちゃうのが嫌。
自分自身は、そういうタイプなんです。できれば、読み手の人にもまっさらな状態で物語を楽しんでもらいたい…という欲求も少なからず持っています。
でも、そもそもそんなやり方では小説同人は手に取ってもらえない、というのもわかっています。「サンプルを読んでから買うか決めたい」「苦手な要素を避けたい」人がいるのも、わかっています。
だから、「たくさんの人に手に取ってもらえるように間口は広げつつ」「あらかじめ取捨選択したい人にもできる範囲で対応する」が両立できたらなぁとは思っているんですが。どのぐらいの塩梅でやっていくかは、多分永遠に悩み続けると思います…
TwitterやPixiv等での宣伝については試行錯誤中、という感じです。
宣伝、というとなんとなく抵抗がある人がいるかもしれませんが、私は先述の通り「今はまだ出会っていない、『私の本を好きになってくれる人』がまだまだこの世にはいる」と信じているので、「その人達に届けた~い!」という気持ちでこれからも積極的に「宣伝」をしていくつもりです!
■そもそも、なぜ「小説」を書いているのか
同人誌においては小説よりも漫画の方が圧倒的に手に取ってもらうチャンスが多い事は、小説同人でサークル参加したことがある方ならほとんどの人が感じている事と思います。
そんな中、なぜ小説を書くのか?については人によって理由は色々だと思うのですが、私の場合は「同じ時間をかけるなら、漫画よりも小説の方が長い・良い・気に入った物が書けるから」かなぁと思います。
私は絵より文賞の方が書くのが早いです。そして自分の絵は後から見返して「いい絵だな」と思う事はほぼ無いですが、文章は読み返した時に「好きだな…!」と思う事が多いし、人様にも受け入れてもらいやすい形にできているのではないかと感じるのです。実際、私が出す本については漫画よりも小説の方が需要があるなと肌で感じています。
絵を描くのは嫌いでは無いですが、「どうしても漫画という形で何かを表現したい!!!漫画じゃなきゃ嫌だ!!!!!」というほどのパッションを持ち合わせている訳でもありません。
「世に形として出したい物語があって、それが漫画よりも文章という形の方がスムーズに産み出せて、世の人も漫画よりも文章という形の方がスムーズに受け入れてくれるのであれば、私は小説を書こう」という気持ちを抱きながら、ここ数年は小説を書いているのだと思います。多分。改めて言葉にしてみると、そういう事なんだと思います。
■「需要」を感じたらそのジャンルで小説同人を書き続けるのか
私の場合はノーです。
「需要」を感じるのは嬉しいし、「加速装置」や「オプションパーツ」的に「書こうと思っていた本が分厚くなる」みたいな効果はあるかもしれませんが、「エネルギー源そのもの」にはなってこなかった気がします。
二次創作の場合、あくまで「自分自身がその原作に対して『二次創作をしたい』という気持ちが湧いているか」が重要なので、たとえ原作が好きなままでも「二次創作パッション」が収束したら書かなくなる、というのはよくあります。
■余談
これは小説同人に限った話ではないのですが。
本当は需要を感じていないのに、作り手に対する情けで需要を感じているような態度を取る必要はないと思います。
でも、実際に需要を感じているのであれば。それを作り手に伝えてみるという選択肢もあるのかな~なんて思うんですけど、どうですかね。
私が好きな歌の一つに「幸せなら手をたたこう」という歌があります。
別にこれ、「幸せな事があった時には手のひらと手のひらを連続して衝突させる事を推奨している歌」では無くて、「幸せな気持ちであるなら、自分が幸せである事を身の回りの人に伝わる形で表明していこうよ」っていう歌なのかな、と私は解釈しているんです。
転じて、「誰かのおかげで幸せになれたのなら、『あなたのおかげで私は幸せな気持ちになったよ』って事を、その人に伝わる形で示していこうよ」ってことかなって、思ってるんです。
面白かったな・感動したな、とか。そこまでいかなくとも、何らかの感情が少しだけ動いたな、みたいな事があれば。私はできる限り感情を動かしてくれた当人に、「あなたのおかげだよ」っていうのを伝えたいな、と思っています。
同人誌即売会ではもちろん、職場や家庭内においてもそう思っていますし、できる範囲で実行してみています。
私はこれ、楽しいと言うか、自分自身がなんか嬉しい気持ちになれるから、好きなんですよね。「あなたのおかげだよ」って言いたくなるような人に出会える人生って、幸せだなと思いますし。
なんていう、最後は脱線した話で終わるのでした。小説書きと言いつつ文章構成が上手くないのがばれてしまう~~~わははは!!おしまい!!!